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【三井美奈の国際情報ファイル】中国への幻想崩れ…フランスでやっと台頭した習政権警戒論

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【三井美奈の国際情報ファイル】
中国への幻想崩れ…フランスでやっと台頭した習政権警戒論

今年1月9日、北京で訪中したマクロン仏大統領と握手する習近平国家主席(AP) 今年1月9日、北京で訪中したマクロン仏大統領と握手する習近平国家主席(AP)

 フランスの新聞でアジア政治が取り上げられることはまれだが、今回は違った。中国の習近平政権が憲法改正で国家主席の任期制限を撤廃し、「独裁」に歩み出したことに各メディアは強く反応した。「改革開放は民主化につながる」という「幻想」が打ち砕かれた衝撃は大きかった。

米より早く国交樹立

 フランスは長く米国に対抗する「独自外交」を志向したせいか、中国には好意的だった。国交樹立は1964年で、米国より15年も早い。周恩来、●(=登におおざと)小平ら共産党指導者が若いころ、フランスに留学した縁もあるだろう。2年前、中国企業がドイツのロボット大手クーカを買収し、技術移転への警戒が広がった時も反応は比較的鈍かった。

 だが、今回の憲法改正で、空気は変わった。

 2月末、中国共産党が憲法改正案を発表すると、仏紙ルモンドはただちに「習皇帝の即位」という表題の社説を掲載。習氏は「あくなき個人権力の追求者」に成り下がったとこきおろした。月刊誌キャピタル(電子版)も「習氏は政治自由化への期待を完全に裏切った」と断じ、権力の一極集中を進め、民主主義に逆行する習政権を批判した。

 ことさら厳しい批判は、習政権への失望の大きさを物語る。欧州がトランプ米政権発足に戦々恐々としていた昨年1月、習氏が世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で行った演説は強い希望を抱かせた。習氏は「反グローバル化」や保護主義を批判し、「米国第一」を牽制した。この時、ルモンド紙は習氏を「自由貿易の旗手」と手放しでたたえた。

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