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【野口裕之の軍事情勢】戦後最大のスパイ事件取材と在英亡命諜報機関員暗殺で見た露毒殺史   

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【野口裕之の軍事情勢】
戦後最大のスパイ事件取材と在英亡命諜報機関員暗殺で見た露毒殺史   

3月18日、モスクワ中心部の広場で開かれた集会で演説するロシアのプーチン大統領(ロイター=共同) 3月18日、モスクワ中心部の広場で開かれた集会で演説するロシアのプーチン大統領(ロイター=共同)

 英国南部で亡命者として暮らしていたロシア諜報機関・連邦軍参謀本部情報総局(GRU)のセルゲイ・スクリパリ元大佐と娘のユリアさんが神経剤《ノビチョク》で襲撃されたが、四半世紀近く前に取材した忌まわしい事件が筆者の脳裏に忽然とよみがえった。

 英政府は、ロシア諜報機関が直接関与したか、ノビチョクをずさんに管理し暗殺者の手に渡ったかのいずれかだと断定した。ノビチョクは「高度な施設と専門知識を持つ国家でなければ製造できない」(英国連次席大使)化学兵器で、ソ連は1970~80年代に開発、受け継いだロシアが秘匿する。

 だが、筆者が1995年に追跡した同種の事件には状況証拠すらなかった。日本の戦後最大のスパイ事件が発覚した後、19年も経過して突然死を遂げる元外務省調査員の名前は、産経新聞の連載《戦後史開封》を担当した際入手した600ページにのぼる《部外秘》の捜査関係資料にあった。

 身辺調査や尾行結果、供述内容がびっしりと収まった資料は、冷戦中のソ連諜報機関の凄味を凝縮した《ラストボロフ事件》であぶり出された日本人スパイ36人を網羅していた。とりわけ印象深く、謎めいた人物が元外務省アジア局第2課調査員の室井正三(仮名)だった。

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