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【昭和天皇の87年】運命の御前会議開催へ 「陛下は非常な御決心でおられる」

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【昭和天皇の87年】
運命の御前会議開催へ 「陛下は非常な御決心でおられる」

画=筑紫直弘 画=筑紫直弘

 だが、平沼は「観念右翼の巨頭」と評されており、土壇場で不支持に転じないともかぎらない。

 「多数決なら今日勝てる見込みがあるか? 平沼男(爵)は危ないぞ」

 海軍首脳でありながら終戦派の米内が、内閣書記官長の迫水(さこみず)久常に不安を漏らした。もしも御前会議で平沼が外相案に反対すれば、反対票が賛成票を上回り、昭和天皇が聖断を下しにくくなる。

 果たして御前会議では、この平沼が重要な役割を果たすことになるのだが……。(社会部編集委員 川瀬弘至 毎週土曜、日曜掲載)

【参考・引用文献】

○宮内庁編『昭和天皇実録』34巻

◯外務省編『終戦史録』(官公庁資料編纂会)

○伊藤隆、渡邊行男編『重光葵手記』(中央公論社)所収の「鐘漏閣記」

○下村海南『終戦秘史』(大日本雄弁会講談社)

御前会議 天皇臨席のもとで開かれる元老、主要閣僚、軍部首脳らの合同会議。国家の重大事に際し、最高国策を事実上決定した。ただし天皇の諮問機関である枢密院会議を除き、天皇の臨席は法制上定められておらず、御前会議で決まった方針は直後の閣議などで正式決定した。また、天皇に政治責任を負わせないため、天皇自身が発言することはほとんどなく、天皇の意思の表明、すなわち聖断が下されることは異例中の異例だった

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