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【三井美奈の国際情報ファイル】バチカン対中譲歩「隷属」か 司教任命 宗教弾圧緩めぬ習政権と合意へ

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【三井美奈の国際情報ファイル】
バチカン対中譲歩「隷属」か 司教任命 宗教弾圧緩めぬ習政権と合意へ

バチカンのサンピエトロ大聖堂。司教任命で3月、中国との詰めの協議が行われるとみられる(三井美奈撮影) バチカンのサンピエトロ大聖堂。司教任命で3月、中国との詰めの協議が行われるとみられる(三井美奈撮影)

 正面から抗議の声を上げたのは、香港カトリック教区名誉司教の陳日君・枢機卿だ。2月9日、記者会見を開き、「中国政府に忠実な者だけが候補になる。こんな仕組みで、法王にどんな拒否権があるのか」「国家に隷属する教会など、もはやカトリック教会ではない」と訴えた。陳枢機卿は香港教区の前最高指導者。法王批判スレスレの身を張った抗議は危機感の強さを示した。

身柄拘束中の司教も

 バチカンと中国は1951年に断交した。司教任命権は法王にあるというバチカンの主張に対し、中国は「内政干渉」と批判して政府公認のカトリック団体を設立。法王に忠誠を誓う信者は「地下教会」に潜り、身柄拘束されたままの司教もいる。

 なのになぜ、バチカンは対中融和を急ぐのか。

 マジステル記者によると、理由は2つある。「まずは『平和の構築者になりたい』という法王フランシスコの強い思い。第2に、このままでは、中国が一方的に大量の司教任命を行いかねないとの懸念があることだ」。

 法王フランシスコは2013年の即位後、米国とキューバの国交樹立で仲介役を務めるなど、積極的な教会外交を展開。中国との関係構築にも熱心だった。14年に中国が法王機の上空通過を認めた際には、習近平国家主席に「神のご加護を」と親善メッセージを発表。中国訪問についても「彼ら(中国)が招待状を出せば、すぐに私の意図は分かる」と述べ、意欲を見せた。

地下信徒900万人

 中国では高齢の「地下教会」司教たちが相次いで死去し、政府「公認」の司教が多数派となってきた。地下教会の信徒は約900万人にのぼるとみられ、バチカンは「状況を放置する危険は、合意締結のダメージを上回る」(同記者)と判断した模様だ。

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