産経ニュース

【原発最前線】先見えぬ福島原発「トリチウム処理水」 海洋放出反対の漁連「悪者にされる」

ニュース プレミアム

記事詳細

更新

【原発最前線】
先見えぬ福島原発「トリチウム処理水」 海洋放出反対の漁連「悪者にされる」

福島第1原発構内に並ぶトリチウム処理水のタンク=平成29年12月1日(東京電力提供) 福島第1原発構内に並ぶトリチウム処理水のタンク=平成29年12月1日(東京電力提供)

 事故から7年となった東京電力福島第1原発でたまり続ける「トリチウム処理水」をめぐる状況が切迫度を増している。構内に林立するタンクの8割近くを占め、「タンクの増設計画は3年後までしかない」と東電。海洋放出は地元漁連が強く反対し、国は処理方法を平成25年から検討中で、東電は国の結論を待つ姿勢。原子力規制委員会は「海洋放出の準備に数年かかる」と年内の決断を求めているが、見通しは開けていない。(社会部編集委員 鵜野光博)

総量は「57ミリリットル」

 トリチウム(三重水素)は水と一体化しているため汚染水処理装置でも取り除けないが、エネルギーが弱く、人体に蓄積しない。規制委によると、第1原発の処理水、建屋滞留水、溶融核燃料(デブリ)などの中に含まれるトリチウムの総量は3400兆ベクレルで、トリチウム水に置き換えると約57ミリリットル。このうち約3分の1が、タンク内のトリチウム処理水に含まれている。

 トリチウムを含んだ水は、他の原発では排水の一部として海に流され、福島第1原発でも事故前は放出されていた。しかし、事故後は構内にため続けており、今年2月時点で約105万トンあるタンク貯蔵水のうち約85万トンを占めている。タンクの容量は現状で約110万トンで、東電は平成32年までに137万トンまで増設を計画しているが、それ以降については未定だ。

 処理方法を検討している資源エネルギー庁は、タスクフォースの結論として、地層注入▽海洋放出▽水蒸気放出▽水素放出▽地下埋設-の5つの方法を候補に挙げた。その後、28年11月から社会学者を入れた小委員会で7回の会合を開き、風評被害への対策を含めて検討しているが、事務局は「簡単に結論が出る状況ではない」としている。

続きを読む

このニュースの写真

  • 先見えぬ福島原発「トリチウム処理水」 海洋放出反対の漁連「悪者にされる」
  • 先見えぬ福島原発「トリチウム処理水」 海洋放出反対の漁連「悪者にされる」
  • 先見えぬ福島原発「トリチウム処理水」 海洋放出反対の漁連「悪者にされる」
  • 先見えぬ福島原発「トリチウム処理水」 海洋放出反対の漁連「悪者にされる」

「ニュース」のランキング