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【クローズアップ科学】桜の王者「ソメイヨシノ」 見えてきた起源、クローンの弱点も(3月4日掲載)

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【クローズアップ科学】
桜の王者「ソメイヨシノ」 見えてきた起源、クローンの弱点も(3月4日掲載)

ソメイヨシノの花(森林総合研究所多摩森林科学園・勝木俊雄氏提供) ソメイヨシノの花(森林総合研究所多摩森林科学園・勝木俊雄氏提供)

韓国発祥説を否定

 ソメイヨシノについて韓国は、済州島などに自生している「エイシュウザクラ」が発祥だと主張してきた。これに対し勝木氏は17年、花のつき方などの形態や遺伝子を文献で調査し、親子鑑定を実施。母方はエドヒガンで同じだが、父方はオオヤマザクラで異なると判定し、韓国発祥説を否定した。

 日本の花見は古来、和歌に詠われたヤマザクラが対象だったが、今ではソメイヨシノが主役だ。接ぎ木による栽培で増えてきたが、クローンがこれほど広がるのは異例だ。どの木も遺伝子が同じで均一の性質を持つため、一斉に咲いて散る演出をもたらす。

 学術的な価値もある。開花の様子から、春の訪れが例年より早いかなどを正確に把握できる。開花時期を示す桜前線は、地球温暖化の影響など気象変動の理解にも役立っている。

病害虫の流行懸念

 一方、クローンの弱点として、1つの病虫害が一気に大流行しかねない怖さもある。

 ソメイヨシノは、小枝が密集し開花時期に葉が目立ってしまう「てんぐ巣病」という感染症にかかりやすい。多様性を確保し被害拡大を防ぐため、公益財団法人・日本花の会(東京)は05年、長年にわたって続けてきたソメイヨシノの苗木の配布を廃止した。

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