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【公太へ 震災遺族の7年(4)】最愛の残像、積み重ね 買い続ける少年漫画

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【公太へ 震災遺族の7年(4)】
最愛の残像、積み重ね 買い続ける少年漫画

津波で命を落した丹野公太君。愛読していた漫画雑誌を母の祐子さんは毎号、買い続けている=9日、宮城県名取市(桐山弘太撮影) 津波で命を落した丹野公太君。愛読していた漫画雑誌を母の祐子さんは毎号、買い続けている=9日、宮城県名取市(桐山弘太撮影)

 スーパーのパート勤めを終えて自宅の仮設住宅に帰る途中、丹野祐子さん(49)=宮城県名取市=はコンビニエンスストアに寄った。

 月曜日。

 週刊少年ジャンプの発売日だ。

 長男の公太君=当時(13)=が愛読していた。東日本大震災で命を落としている。

 思いを継ぎ、毎号買う。

 計300冊を超す。

 初めは棚に並べていた。底が抜けそうになり、今は押し入れに積み重ねる。

 平積みの高さがあの日からの年月を物語る。

 家を流され、物も失う。

 遺品と呼べる品は見つからなかった。使いかけの鉛筆も。家族のよりひと回り大きい茶碗も。

 通学先の中学校の教室にバインダーがあった。

 乾いた泥が付いている。

 〈孝査ファイル〉

 表紙に手書きで書いてある。

 「考」が「孝」になっているのはご愛嬌だ。

 〈第1学年2学期末考査 目標480点〉

 結果は6点上回っていた。

 人は思い出を物に求める。

 震災直後、土台だけになった家の周りで物を探し続ける人の姿をよく見掛けた。

 ジャンプ置き場に厚いファイルが立てかけられている。

 カードゲーム「遊戯王」の札が収まっている。友達とよく遊んでいた。

 夫(56)が定期的に買ってくる。

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