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酷寒の北海道占冠村で氷のホテルに泊まってみた-氷中の露天風呂、氷点下でも温かい寝袋で迎えた朝は…
朝日でバラ色に
翌朝午前7時ごろ、太陽が顔を出すころに目覚めた。
息が寒さで真っ白だ。朝日の反射でトマム山がバラ色に染まっていた。
携帯電話も寒さで放電してしまう。トイレは外に出なければならないなど不便もあるが、冬山の大自然を苦労せずに味わえる。カップルなら、絆が深まることは間違いない。
粉川博士がアイスシェルを研究したのは、「北海道の寒さと雪をうまく使って、冬の生活を豊かにしたい」という思いからだった。現在は、新潟県で水分の多い雪を使ったアイスシェルを研究中という。
確かに、雪国は生活するにはやっかいなことも少なくないが、雪と極寒に付き合い、楽しむのは雪国の知恵であり、楽しみでもある。癖になりそうな体験となった。
宿泊体験は同リゾートの宿泊客(タワー、リゾナーレ)限定で、1人追加料金2万円。来年も1月中旬から“開業”する予定だ。
(札幌支局長 杉浦美香)
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星野リゾートトマム 星野リゾートが運営する北海道占冠村中トマムにある山岳リゾート施設。現在は、中国・上海の企業グループが所有している。中核施設として昭和62年、平成元年にそれぞれ完成した地上36階建ての全約600室のツインタワーホテル(ザ・タワーI、ザ・タワーII)がある。アクセスはJRトマム駅、または、道東自動車道トマムインターチェンジ(IC)。
昭和57年に開発公社が立ち上がり、58年にはトマムスキー場、リゾートセンター、ホテルアルファ トマムが完成し、アルファリゾート・トマムが開業。その後、ゴルフ場、テニスコート、ザ・タワー、水の教会、別のホテル棟などが相次いで完成したが、バブル経済崩壊のあおりでオーナー企業が倒産。
オーナー企業の変遷を経て、平成16年以降、星野リゾートが資本投入し、運営を始め、18年の雲海テラスのオープンなど、スキーシーズンだけでなく四季を通じて楽しめるリゾートに転換、集客を伸ばし、再生にこぎつけた。