産経ニュース

【矢板明夫の中国点描】全人代の「生きた化石」の政界遊泳術

ニュース プレミアム

記事詳細

更新

【矢板明夫の中国点描】
全人代の「生きた化石」の政界遊泳術

2012年3月、全人代山西省代表団の分科会で発言する申紀蘭氏(全人代常務委員会の公式サイトから) 2012年3月、全人代山西省代表団の分科会で発言する申紀蘭氏(全人代常務委員会の公式サイトから)

 中国メディアに掲載された次期全国人民代表大会(全人代=国会に相当)の代表名簿(計2987人)を眺めると、88歳の女性、申紀蘭氏の名前があった。いささか驚いた。「国民を代表する素質がない」などとインターネット上でさんざん指摘され、親族の不正蓄財などのスキャンダルも香港メディアに報じられたが、一連の批判を無事に乗り切ったようだ。

 山西省の農民出身の申氏は、新中国誕生後の第1期全人代(1954年)で代表に選ばれて以来、13回連続で当選した。激動する中国の政治を常に第一線で関わり、メディアに全人代の「活化石」(生きた化石)と呼ばれたこともあった。

 申氏は現在の全人代全人代代表の中で最高齢、最多連続当選回数のほか、もう一つの記録がある。全人代代表を務めた64年間、反対票を一度も入れたことがないことである。

 しかしその間、中国政治は大きく揺れ動き、内容が正反対の議案が多く提出されている。毛沢東の推進する文化大革命が始まったときも、その後、文化大革命が全面否定されたときも、劉少奇、●(=登におおざと)小平といった大物政治家らが失脚したときも、名誉回復されたときも、申氏はすべて賛成の意思を表示したという。

続きを読む

「ニュース」のランキング