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【田村秀男のお金は知っている】米株価不安、アベノミクス危機の可能性 日本の景気に黄信号

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【田村秀男のお金は知っている】
米株価不安、アベノミクス危機の可能性 日本の景気に黄信号

株価次第の米国経済 株価次第の米国経済

 16年11月の米大統領選で勝利したトランプ氏は大型のインフラ投資や史上空前規模の減税を打ち出すと、株価上昇にはずみがつくと同時に、景気回復も加速した。そこで株価上昇と景気拡大の好循環が生まれたかのように見えたが、株価を動かしてきたのはカネの供給と実質ゼロ金利政策をとったFRBに違いない。

 FRBは「金融政策の正常化」をめざし、金融の量的拡大を止めた後、金利の引き上げに転じたのだが、輸血で太った患者の血を回収するような仕業だから、利上げという劇薬投与には慎重そのものだった。市場はそれをみて安心し、トランプ相場に沸くが、バブルへの警戒感も次第に高まってきた。

 そんな中、賃金の上昇を背景にインフレ期待が高まり、市場金利が上昇し始めると、投資家の多くが不安に駆られて一斉に株売りに転じたのが株価急落の実相だ。米株価は企業収益率からみた適正水準よりも7割以上高いとされるので、下げ圧力が働き、株価の先行きは読みにくい。

 このまま株価低迷が続けば、個人消費や企業の設備投資意欲が冷やされる。株式主導の米景気が世界を引っ張り、日本は輸出増でその恩恵を受けてきた。アベノミクスは輸出なくして成り立たない。その経済モデルの危機になりかねない。(産経新聞特別記者・田村秀男)

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