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【三井美奈の国際情報ファイル】平和ボケの象徴か、欧州の未来図か カタルーニャ騒動が示す「国家」観

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【三井美奈の国際情報ファイル】
平和ボケの象徴か、欧州の未来図か カタルーニャ騒動が示す「国家」観

バルセロナの執務室で「独立した方がカタルーニャは繁栄する」と訴えるローラ・ボラスさん(三井美奈撮影) バルセロナの執務室で「独立した方がカタルーニャは繁栄する」と訴えるローラ・ボラスさん(三井美奈撮影)

 スペインのカタルーニャ自治州の独立騒動が続いている。2017年12月21日の州議会選では独立派が勝利した。過去5年で州議会選が3回、非公式のものをあわせて住民投票が2回行われ、有権者は5回すべてで「独立支持」の意志を示した。

 腑に落ちないのは、「なぜこんなに独立したいのか」ということだ。東西冷戦後に独立したバルカン、バルト諸国のように圧政下に置かれたわけではない。スペインは欧州でも異例の広い自治権を同州に認めているのである。

 独立派の政治家や大学教授に話を聞いても、「300年前にスペインに支配された。もともと、われわれは別の国」「中央政府はわれわれを正当に扱わない」と「スペイン憎し」を繰り返すばかり。一方で、新国家の国防、法律、通貨はどうあるべきかの論議は乏しい。どういうことなのか。

 取材しながら、「国家とは何か」の考えが彼我で全く違うのだと気づいた。

 熱心な独立派の翻訳家、アレクス・ペルマニエルさん(48)を自宅に訪ね、取材したときのこと。独立したら軍隊を作るのかと尋ねると、「必要ない。州警察で十分」と言うので驚いた。

 「欧州連合(EU)は『独立したら、EUから出ていってもらう』と言っている。ユーロが使えなくなりますね」と指摘すると、「EU非加盟でも、アンドラやモナコはユーロを使っています。スイスはEUと協定で国境管理をなくした。EUから出ても、今と同じ制度でやれますよ」とのたまう。

 国境管理はハナからやる気がない。「スペインとの行き来は現状のままでよい。どうして変える必要があるの?」。

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