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【平成30年史 デフレの呪縛(2)】物流危機…社長も給料半分 バブル崩壊で一変、コスト増重く

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【平成30年史 デフレの呪縛(2)】
物流危機…社長も給料半分 バブル崩壊で一変、コスト増重く

 2法施行から27年。物流デフレにくさびを打ち込む動きが始まっている。

 牽引(けんいん)役は宅配業界。最大手のヤマト運輸をはじめ、佐川急便、日本郵便の大手3社がそろって値上げを発表した。インターネット通信販売の普及で、宅配便の荷物量は年間40億個まで急増した一方で、ドライバーの人手不足が深刻化。ヤマト常務の阿波誠一は「人材確保やIT活用に向けた収益構造の改善が不可欠となった」と説明する。

 異例ともいえる物流サイドからの値上げ要請だが、宅配業界は3社のほぼ寡占市場ともあって「荷主の半数以上は了承している」(ヤマトHD専務の芝崎健一)。政府の働き方改革も追い風に、ドライバーの労働環境改善に向けた物流コストの必要性が社会的にも認知されつつあり、業界関係者は「中小の運送業者でも最近は4社に1社くらいが荷主に値上げを求めるようになった」という。

 10月中旬の午後、横浜市内のヤマト営業支店では、ドライバーら8人がテーブルを囲んでいた。春先までは忙殺されていた時間だ。男性ドライバーは「以前は昼食をとれない日もあったけど、変わった」とおにぎりをほおばる。女性スタッフが言葉をつないだ。「営業所に荷物を受け取りに来る人も増えてきた。不在でごめんねって」

 重田はこう力を込める。「売る人、買う人、運ぶ人が対等なパートナーと考える社会になれば物流は健全に回る」(敬称略)

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