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【岡部伸の新欧州分析】EU離脱交渉が現代版「英仏戦争」の様相に 英国の前に立ちはだかる仏出身交渉官

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【岡部伸の新欧州分析】
EU離脱交渉が現代版「英仏戦争」の様相に 英国の前に立ちはだかる仏出身交渉官

第6回交渉が行われたブリュッセルで11月10日、記者会見するEUのバルニエ首席交渉官(右)と英国のデービスEU離脱担当相(AP) 第6回交渉が行われたブリュッセルで11月10日、記者会見するEUのバルニエ首席交渉官(右)と英国のデービスEU離脱担当相(AP)

 英国では、こうしたフランスの国家戦略を背景にバルニエ氏が意図的にクリフエッジ(合意なしの離脱)を目指しているのではないかとの観測が出ている。

 ドーバー海峡を挟んで隣接する英国とフランスは、互いに対抗心を持って、常に微妙な関係にあった。

 第一次、第二次世界大戦では同盟国として共にドイツと戦ったが、欧州統合の牽引役を自負するフランスとEUに懐疑的な英国は、英国の離脱をめぐって再び緊張感のある関係となった。ジャンヌ・ダルクが「救国の乙女」として活躍した「英仏百年戦争」(1337~1453年)が現在も続いているかのようだ。

各国首脳と直接交渉論も

 英国では、正念場となる12月のEU首脳会議を前に、局面を打開するには、硬直なバルニエ氏を介さず「27カ国の首脳と直接交渉すべき」(ヘイグ氏)との声も出ている。英紙タイムズによると、メイ氏は15日、首相官邸にメルケル氏の盟友で欧州議会最大会派を率いる有力議員、マンフレート・ウェーバー議員を招き、「拠出金」について協議した。

 合意無き無秩序な離脱は、欧州を混乱させ、世界経済に打撃を与える。多くの日本企業が英国を欧州事業の拠点とする。日本企業活動への影響を最小限に食い止めるには、激変緩和のための移行期間や新たな自由貿易協定(FTA)が設けられるようにバルニエ氏らEU側の柔軟な交渉姿勢が必要だろう。 

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