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【岡部伸の新欧州分析】EU離脱交渉が現代版「英仏戦争」の様相に 英国の前に立ちはだかる仏出身交渉官

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【岡部伸の新欧州分析】
EU離脱交渉が現代版「英仏戦争」の様相に 英国の前に立ちはだかる仏出身交渉官

第6回交渉が行われたブリュッセルで11月10日、記者会見するEUのバルニエ首席交渉官(右)と英国のデービスEU離脱担当相(AP) 第6回交渉が行われたブリュッセルで11月10日、記者会見するEUのバルニエ首席交渉官(右)と英国のデービスEU離脱担当相(AP)

 またバルニエ氏に代表されるEUの非妥協性について、保守党のヘイグ元党首はテレグラフ紙への寄稿で、「交渉成功を妨げているのは、政策を変更しないEUの伝統的な柔軟性の欠如だ。離脱理由の一つがこのEUの柔軟性欠如だった」と批判。さらに、「ギリシャ危機でも、同国のバルファキス財務相はユーロ圏各国財務相からECB(欧州中央銀行)総裁、メルケル氏とたらい回しにされ、『誰と交渉すればよいか分からなくなった。誰も責任を持って政策変更しない非妥協性の壁に直面した』」と非難した。

「100年に1度の好機」

 バルニエ氏のフランスが最強硬なのには理由がある。金融機関はEU加盟国で免許取得すれば、域内で営業できる「単一パスポート制度」がある。離脱すれば、英国で利用できなくなるため、パリをロンドンの金融街シティに代わる金融センターにしようと、フランスは「100年に一度の好機」と国を挙げて各金融機関に秋波を送っている。

 仏政府が企業誘致のため作成した「パリの金融センター化へのわが国の野望」には、法人税率を33%台から22年までに25%へ引き下げることなどが書かれ、フィナンシャル・タイムズ紙は、「フランスには離脱で英国の金融を『積極的に混乱させ、破壊する』企みがあり、マクロン仏大統領は離脱に伴う雇用増による経済改革をもくろむ」と報じている。

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