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【映画深層】「リュミエール!」“映画の父”の108本を1本に アーティストとしての魅力を最新技術で現代に

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【映画深層】
「リュミエール!」“映画の父”の108本を1本に アーティストとしての魅力を最新技術で現代に

映画「リュミエール!」の1編「日本の剣士」 (c)2017 - Sorties d’usine productions - Institut Lumiere, Lyon 映画「リュミエール!」の1編「日本の剣士」 (c)2017 - Sorties d’usine productions - Institut Lumiere, Lyon

 まさに映画の伝道師と言っていいかもしれない。フランスのリヨンにある映画博物館「リュミエール研究所」の所長で、カンヌ国際映画祭の総代表も務めるティエリー・フレモー氏(57)。“映画の父”リュミエール兄弟の作品の中から厳選した108本で構成する「リュミエール!」では、監督、編集に加えてナレーションも担当し、リュミエール兄弟の偉大さを熱く伝える。10月28日からの公開に合わせて来日したフレモー氏は「何かを素晴らしいと思う気持ちは、どんどん伝播(でんぱ)していくものです」と幸せそうな表情を見せる。

(※11月4日にアップした記事を再掲載しています)

映像の旅をするように見せたい

 まずはリュミエール兄弟のことから説明をすべきだろう。映画の歴史は、この兄弟が発明したシネマトグラフ(複合映写機)から始まったといっていい。リヨンで写真機材などの工場を営んでいたオーギュストとルイの兄弟は1895年、スクリーンに投影して大勢の人が動画を見ることができるこの映写機を開発。この年の12月にパリで有料上映したのが、世界初の映画館とされる。

 弟のルイは芸術のセンスにも優れ、自らカメラを手にさまざまな作品を製作した。当時のフィルムは幅35ミリ、長さは17メートルで、1本の上映時間は約50秒。撮影に携わったのはルイだけではなく、多くのカメラマンが世界中に派遣され、貴重な映像を収めた。その作品は10年間で約2千本に及び、現在も1422本が保存されている。

 その中の珠玉の108本をフレモー氏が選び出し、最先端技術の4K(フルハイビジョンの4倍精細な映像)デジタルで修復して1時間半の映画にまとめたのが、「リュミエール!」だ。

 「とにかくリュミエール兄弟の作品を映画館で上映したかった。そのためには、今日の多くの映画と同じような1時間半から2時間の作品にまとめ、いろんなお客さんに見てもらえるようにしようと思ったんです」とフレモー氏は振り返る。

 できるだけ多くの人に理解してもらえるよう、自身がリュミエール兄弟を研究したときと同様、まるで映像の旅をするような作品にしたいと考えた。そのために「働くフランス」「世界は近い」「喜劇の要素」といった11の章に分け、リュミエールの世界に足を踏み入れる一歩目になるように工夫を凝らした。

 「リュミエール兄弟には美しい伝説もたくさんあるが、間違った情報も伝わっている。例えば確かにシネマトグラフという“機械”は作ったが、“芸術としての映画”を発明したわけではない、という人がいる。でも、この映画を見れば、彼らがアーティストだったことが分かるはずです」と自信を見せる。

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