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【男性不妊治療の現場から】少ない専門医、進まぬ受診「男性も不妊の当事者」

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【男性不妊治療の現場から】
少ない専門医、進まぬ受診「男性も不妊の当事者」

男女の不妊原因 男女の不妊原因

 たまたま、引っ越しを機に転院。妻が通うクリニックの上階に入居していた泌尿器科の門をたたいたのだ。酒井さんはすぐに手術を受けた。

 かつて精液検査を受けた際、「運動率が正常値内の下限ぎりぎりでした。いい時も悪い時もあったけれど、『精液の成績は水物』と言われ、特に問題になっていませんでした」。手術の後、徐々に精液所見は改善している。

少ない専門医

 厚生労働省の研究班(研究代表・横浜市立大生殖医療センター泌尿器科、湯村寧部長)が15年から16年にかけて、男性不妊治療を専門とする泌尿器科医39人から患者7千253人の不妊原因を聞き取ったところ、最多は精子を作る機能に異常がある「造精機能障害」(82・4%)だった。「性機能障害」(13・5%)や「精路通過障害」(3・9%)と違い、男性自身が気づいていない例が圧倒的ということだ。

 このように男性不妊は男性自身が認識しづらい例が多いことに加えて、専門の泌尿器科医が少ないことが問題として指摘されている。

 日本生殖医学会が認定する生殖医療専門医は、今年4月時点で649人。ほとんどが産婦人科医で、泌尿器科医はわずか51人。

 また地域の偏在も大きい。泌尿器科の専門医は東京に9人、神奈川に6人、大阪に10人と半数が都市部に集中。1人もいない自治体が32県に上る。

 この結果、男性不妊治療専門の施設が少なく、ほとんどの不妊治療専門施設では産婦人科医のみが診察、精液検査しか行われないことも少なくない。

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