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【赤字のお仕事】取材後記(2) 学問と清流(上) 飛躍を後押しした「世界一」の寺子屋教育

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【赤字のお仕事】
取材後記(2) 学問と清流(上) 飛躍を後押しした「世界一」の寺子屋教育

幕末のベストセラー「海国図誌」。基礎学力の高さが世界情勢を求める日本人たちの原動力となった(平成26年5月、小松勉撮影) 幕末のベストセラー「海国図誌」。基礎学力の高さが世界情勢を求める日本人たちの原動力となった(平成26年5月、小松勉撮影)

 市川清流の足跡を追った取材で印象深かったのは、彼に関わった人物たちとの出会いが「生涯の分岐点」になったことである。幕末期では岩瀬忠震(ただなり)と大槻磐渓であり、維新後は箕作麟祥と福地桜痴であろう。

 幕臣岩瀬家の家士となり、欧米列強との交渉舞台で書記の経験を積むことができた(【赤字のお仕事】では平成25年3月~8月に掲載)。磐渓との出会いは文久遣欧使節団への参加に結び付き、幕末・明治初期で数少ない洋行経験者の一人となった(同、26年2月~8月掲載)。

 維新後、清流が新政府の下級官吏として活動できたのは、旧幕府の開成所で洋書や英字新聞の翻訳文に適切な漢字や用語を当てることに秀でていたからである。筆で小さく細かな文字を書く特技もあった(同、27年3月掲載)。旧幕期に清流と仕事をしたのは箕作貞一郎(麟祥)で、新政府入りすると直属の上司となった。官吏を辞した後、新聞の校正主任に迎えた福地源一郎(桜痴)は前回でも少し触れた。

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