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【びっくりサイエンス】水中でレーザー無線LANが実現 動画もやり取り 潜水艦に搭載し防衛力強化も

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【びっくりサイエンス】
水中でレーザー無線LANが実現 動画もやり取り 潜水艦に搭載し防衛力強化も

海洋研究開発機構や島津製作所などが開発した「水中光無線通信」の送信機=27日、神奈川県横須賀市の海洋機構 海洋研究開発機構や島津製作所などが開発した「水中光無線通信」の送信機=27日、神奈川県横須賀市の海洋機構

 日本の四方を取り囲む海は、豊富な漁獲資源や天然資源の探査をはじめ、地震や津波の研究を進める上でも重要な領域だ。しかし、水中での通信は音波に限られ、一度に送れるデータの量は非常に限られてきた。海洋研究開発機構や島津製作所などが開発を進める「水中光無線通信」は、高出力の半導体レーザーを用いた“水中無線LAN”を実現。海洋試験にも成功し、実用化は目の前に迫っている。

 7月に静岡県沖の駿河湾で実施された試験では、海洋機構の深海無人探査機「かいこう」を利用。かいこうの機体を上下に分離し、水深約700メートルの「ランチャー部」と同約820メートルの「ビークル部」との間で通信を試みた。

 その結果、約120メートルの距離で毎秒20メガビット(20Mbps)の通信に成功。これは音波の約1000倍で、動画も送れる伝送速度だ。さらに受信側のコンピューターを送信側が遠隔操作する「リモートデスクトップ接続」にも成功したが、これは通信の安定性が高いことを意味する。もちろん、通信の暗号化も可能だ。

 水流が安定した水槽ではなく、潮の流れや海水の濁りといったさまざまな環境に置かれた実際の海で試験に成功した点も大きい。

 今後は機器の改良を加えた上で、来年3月にも再び駿河湾での試験を行う。開発を主導する海洋機構海洋工学センターの澤隆雄主任技術研究員は、「既に実用段階に達しており、来年度以降は機器のさらなる小型化や軽量化を図っていきたい。目標は500ミリリットルのペットボトルほどの大きさです」と意気込む。

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