産経ニュース

【田村秀男のお金は知っている】ノーベル経済学賞理論によれば消費増税は「×」 教育・社会保障などで還元もデフレ継続に変わりない

ニュース プレミアム

記事詳細

更新

【田村秀男のお金は知っている】
ノーベル経済学賞理論によれば消費増税は「×」 教育・社会保障などで還元もデフレ継続に変わりない

消費増税後、萎縮する家計消費 消費増税後、萎縮する家計消費

 2014年4月からは消費税率8%に引き上げられたが、結果はグラフを見れば一目瞭然。持ち直していた家計消費は一挙に落ち込み、いまだに11年の東日本大震災時の水準すら下回っているではないか。

 経済の机上の計算では増税しても、財政支出をその分増やせば、景気に及ぼす影響はない。実際には14年度一般会計消費税増収分の5兆2000億円のうち9400億円しか社会保障に回していない。安倍首相はその点を意識しているから、上記のような増税後の配分案を示す。

 だが、仮に増税で家計から巻き上げた税金相当分を全額、教育・社会保障などで家計に還元するとして、理論通りに消費には打撃を与えないのだろうか。実際には、家計は増税前に駆け込み消費に殺到する。そしてその後は、一挙に財布のヒモを締める。教育支援などでカネがばらまかれてもそっくり消費に回すだろうか。

 多くの家計は消費の水準を抑制し、政府から支給されるカネの大半を貯蓄に回すのが、消費者心理というものだ。この行動原理は増収分の一部を家計に返す場合でも変わらないはずだ。その場合、財政は緊縮、家計は消費抑制というパターンになり、デフレが続くことに変わりない。

 希望の党の「消費税増税凍結」はどうか。無用な悪影響を回避するという点では正解だが、代わりに、財政支出を大幅に削減する考え方が底流にある。消費増税をしなくても、社会保障や公共投資をカットすれば、不況になるという定理は事実が証明しているのだから、注意すべきだ。(産経新聞特別記者・田村秀男)

「ニュース」のランキング