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【いまも飛ぶ大戦機】堀越二郎技師の遺産 現存するただ一機の局地戦闘機「雷電」

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【いまも飛ぶ大戦機】
堀越二郎技師の遺産 現存するただ一機の局地戦闘機「雷電」

 モノ造り大国を自認する我が日本で、ホンダといえば本田宗一郎氏、スカイラインGTと聞けば桜井眞一郎氏など、偉大な技術者たちの名前が、すぐに思い浮かぶ。しかし、国運を担って太平洋戦争を戦った日本陸海軍機の技術者となると、なかなか名前が出てこない。そんな中で唯一の例外は、零式艦上戦闘機=零戦の設計主務者を務めた堀越二郎技師だろう。アニメ映画「風立ちぬ」の影響で、女性から子供にいたるまで、堀越技師の名前は、広く知られることとなったからである。

埃にまみれてはいるが、完全な形状を保つ火星エンジン。ただし予備部品がなく、入手の見込みも全く立たないことから、再稼働は諦めざるを得なかったという(Photo:Atsushi

空気抵抗を低減するため爆撃機用大型エンジンを、通常より後方に搭載した独特の紡錘形フォルム(Photo:Atsushi "Fred" Fujimori)

 とはいえ堀越技師が、零戦の次に手掛けた局地戦闘機「雷電」は、大戦機ファン以外にはあまり知られていない。山積する技術的な問題を、完全に解決できなかったため、零戦ほど活躍できず、また生産機数も少数に留まったからだ。ちなみに局地戦闘機とは、来航する敵機を迎え撃つ迎撃戦闘機を示す、日本海軍独特の名称である。

 緊急発進して急上昇、敵編隊を迎撃する局地戦闘機には、なによりも大馬力エンジンが要求される。しかし当時の日本には、戦闘機に搭載できるコンパクトな大馬力エンジンは、まだ存在しなかった。そこで堀越技師は知恵を絞り、爆撃機用で大型の三菱重工製「火星」エンジンを、通常よりも後方に搭載することで、胴体を紡錘形(前後が細い流線形)とし、空気抵抗の低減を図ったのだ。零戦と比べて胴体が極太にもかかわらず、雷電が繊細なフォルムを備えているのは、まさに堀越技師の英知なのである。

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