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【田村秀男のお金は知っている】国連制裁強化にだまされるな 習政権の策謀に引っかかった米国、幻想から抜け出せない理由

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【田村秀男のお金は知っている】
国連制裁強化にだまされるな 習政権の策謀に引っかかった米国、幻想から抜け出せない理由

中国の対北朝鮮石油製品と鉄鋼製品の輸出(12カ月合計) 中国の対北朝鮮石油製品と鉄鋼製品の輸出(12カ月合計)

 習政権は北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長に対し、「米国の石油禁輸案を引っ込めさせたし、従来通り供給できるようにした」とするメッセージを発したことになる。朝鮮戦争(1950年6月~53年7月)で北と「血の友誼(ゆうぎ)」を交わした中国共産党の習総書記は10月の党大会で、「対米譲歩」の批判をかわし、権力基盤をさらに固めるわけだ。

 トランプ政権はまたもまんまと、習政権の策謀に引っかかったわけだが、これまでの安保理の制裁決議で石炭などの輸入を全面禁止しており、繊維製品を禁輸対象としたことで、米国のヘイリー国連大使は「北朝鮮の輸出額の9割以上が禁輸対象となった」と強調した。

 しかし、中国などを経由した迂回(うかい)輸出ルートはいくらでもあり、実効のほどは疑わしい。

 トランプ大統領は北朝鮮の核実験直後の今月3日、「北朝鮮とのビジネス取引を行う国との貿易を停止する」と息巻いたが、対北制裁の最大の障害になっているのは中国だ。

 グラフが示すように、中国は石油製品と同様、鉄鋼製品も対北輸出を増やしてきた。石炭、そして今回の繊維のように、国連がいくら輸入禁止を決議しても、北は外貨の制約から免れている。北が輸入を増やせるのは、中国から信用を供与されているからだ。本欄で指摘してきたように、最も効き目のある対北抑止策は、中国の金融機関に対する制裁なのだ。

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