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【モーリー・ロバートソンが斬る】日本を蝕む「三つ巴の衆愚サイクル」、モリ・カケに見る「悪しき学習」がモンスターを生む

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【モーリー・ロバートソンが斬る】
日本を蝕む「三つ巴の衆愚サイクル」、モリ・カケに見る「悪しき学習」がモンスターを生む

インタビューに答える、コメンテーターのモーリー・ロバートソンさん(松本健吾撮影)  インタビューに答える、コメンテーターのモーリー・ロバートソンさん(松本健吾撮影) 

※この記事は、月刊「正論2017年10月号」から転載しました。ご購入はこちらへ。

 ◆フジテレビ「ユアタイム」で人気沸騰 モーリー・ロバートソンの朝日新聞が独裁者を生む日

 --フジテレビの報道番組『ユアタイム』やバラエティ番組などで幅広く活躍されているモーリー・ロバートソンさんが『正論』初登場です。森友学園や加計学園などの問題に関し、多くのコメンテーターとは一線を画した冷静な分析と発言が注目されています。本日のテーマはずばりメディア論ですが、既存メディアの姿勢を「正論」で攻めていただきたいと思います。 

 モーリー 日本の現状を考える上で深刻なのは、メディアと国民と政治による「三つ巴の衆愚サイクル」に拍車がかかっていることです。

 まず、テレビ局と視聴者の間に一種の相互依存というか、なれ合いが見られます。例えば、憲法改正、原発推進、移民受け入れの是非などを論じることはもはや避けられない時代を迎えていますが、何らかの不都合や痛みを強いるこうした「良薬口に苦しのテーマ」について、テレビは報じないし、視聴者も目を背けています。 

 テレビを「お母さん」、視聴者を「子供」に例えるのは適当でないかもしれませんが、テレビがほうれん草や豆といった「良薬口に苦しのテーマ」を提供しても、カレーライスやハンバーグのように味付けが濃く、派手で難しく考える必要のない、例えば森友学園や加計学園のようなニュースにしか興味がない視聴者は食べようとしません。「野菜も食べるまでテーブルを離れちゃいけませんよ」と注意するのが「しつけ」ですが、このお母さんは「どうせ食べないのだから…」とファストフードやレトルトばかりを食卓に出しています。  

 私は「避けて通れないテーマから逃げるべきではない」「逃げて最終的に困るのは国民だ」と正直に伝えることもメディアの役割だと思うのですが、今はファストフード的な報道に大衆が飛びつき、メディアも視聴率を稼ごうとファストフード的な報道に終始しています。  

--負の連鎖ですね。  

 モーリー はい。だんだん視聴者が熟慮をしなくなっていきます。「原発は嫌だけど電気代は安くしろ」「米軍基地は嫌だけど日本を守れ」というような、痛みを少しも背負うことができない“モンスター予備軍”を親であるテレビ局が育ててしまっているような気がします。

 さらに、ここへ政治が関わってきます。今の野党は巨大与党を前に劣勢です。「強行採決」「共謀罪」「戦争法案」といった感情的な言葉で危機感を煽る以外の抵抗手段を持っていません。そんな彼ら野党が一縷の希望を見出したのが、テレビと国民が構築したファストフード的な関係に便乗し、与党を攻撃することでした。

 まとめますと、大衆の劣情にメディアが寄生している。議員数で劣勢の野党が「餌」(扇情的なニュースのネタ)を提供することでメディアに寄生している。そして、現代社会の大衆には個人レベルでも簡単に情報を発信できる「ソーシャルメディア」という“おもちゃ”が与えられていますが、そこから発信されるネタにメディアと野党が寄生しています。あるジャーナリストを自称する人物が、このおもちゃを使って森友学園などの問題について根拠不明な陰謀論を流しました。素人に近いその人物をテレビ局は識者であるかのように扱い、その発言を延々と紹介しました。テレビ局が持っている扇情的なネタと親和性があるからです。  

 そして、成長著しいIT業界としても広告費の基準となるアクセス数を稼ぐことができますから、ソーシャルメディアも加わったこうした連鎖は大歓迎です。つまり、メディアと国民と政治が互いに“燃料”を投下し、便乗しているんですね。

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