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【WEB版 島を歩く 酒を造る】(1)まるで儀式のような麹づくり 杜氏と蔵人の信頼関係に感心

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【WEB版 島を歩く 酒を造る】
(1)まるで儀式のような麹づくり 杜氏と蔵人の信頼関係に感心

学校蔵の木造校舎の上に広がる青空=新潟県佐渡市 学校蔵の木造校舎の上に広がる青空=新潟県佐渡市

 記者の眼鏡が蒸気で真っ白に曇る。蒸し立ての熱い酒米を他の蔵人とともに手で混ぜながら冷ますのだ。これを「放冷」という。布越しに酒米を混ぜて空気に触れさせるのだが、すぐには温度が下がらず、手を真っ赤にしながら、米をひっくり返していくのは結構つらい。

■酒の味を左右する麹

 

 ある程度冷めると、麹室(こうじむろ)へ運び、麹菌を繁殖させる「製麹(せいきく)」が始まる。

 麹室は8畳ほどの広さでステンレスの壁に囲まれている。中央に卓球台ほどの大きさの台があり、この台の上に冷ました酒米を広げる。そこに、杜氏(とうじ)の中野徳司さん(41)が黄緑色の種麹(麹菌をもち米に繁殖させたもの)を振りかけていく。

 麹の出来が酒の味を左右するといわれるだけに、中野さんがゆっくりと振りかけていく様子を、その場にいる全員が息をのみ、一挙手一投足に注目する。まるで最高の酒の仕上がりを願う儀式のようだ。

 麹室は麹菌の活動を促すため、室温は31度ほど。先ほどの仕込み室とは15度近い差があり、みんな汗をかいている。

 菌糸の定着を確認すると、蒸し米を手で混ぜ温度を均一にする「床(とこ)もみ」という作業に入る。大きく広げては寄せる作業を3回ほど繰り返し、3年目の蔵人、仲原晃佑さん(27)が2本の温度計を刺し、「32度と34度です」。中野さんが「もう一回」とつぶやく。

 さらにもう一度ほぐし、ようやく均一の温度になった。温度管理の重要性を実感する。この後、酒米を中央に集めて固め、薄いふとんを10枚ほどかけて午前中の作業を終えた。

■ムカデに気を付けよう

 

 午前中の作業終了後、尾畑酒造の平島健社長が学校蔵にやってきた。顔を見せるやいなや、「ここはムカデが出ます」と第一声。

 その後、学校蔵の成り立ちや、日本酒の味わい方などについて興味深い話も聞けたが、なによりもまず、「靴を履き替えるときはムカデに気をつけよう」と心に誓った。おいおい、大事なことはそれかよ、と自分で突っ込む。

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