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【ニュースの深層】「子供の前で笑えない」「昼時は戦場」保育士1人に乳幼児十数人も…現場の「疲弊」と気になる「質」

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【ニュースの深層】
「子供の前で笑えない」「昼時は戦場」保育士1人に乳幼児十数人も…現場の「疲弊」と気になる「質」

待機児童の推移 待機児童の推移

 需要拡大により人手不足が慢性化する保育現場で、現役保育士が職場を離れる“退職ドミノ”が止まらない。過度な労働と重責が一因で、1人で十数人の乳幼児の面倒を見ている例もあり、保育士の人数を偽って運営を続ける施設も出現しているといわれる。こうした状況を防ごうと、一部自治体では、保育施設の抜き打ち巡回を開始。事故やけがにつながりかねない小さな綻(ほころ)びを見つけ改善を図ることで、「保育の質」を担保しようとしている。(社会部 三宅陽子)

 「もう限界だと思った」

 30代の女性保育士は、苦しい胸の内をそう明かす。

 女性が働く東京都内の認可保育園は今年3月、園長と保育士が次々と退職。常勤は女性だけとなった。

 新年度に入って常勤の保育士が一人配属されたが、検便の結果も出ないまま働き始めたため、食事介助には加われず、0~2歳の乳幼児十数人を実質的に女性一人で見なければいけない日々が続いた。

 昼時になると、そこはまさに“戦場”だった。乳児にミルクを与えながら、他の子供たちの口に次々と食べ物を運ばなければいけない。遊びの時間も、お昼寝の時間も目を離すことはできず、子供たちを保護者に返すまで神経は常に張り詰めていた。体も悲鳴を上げ、腰痛ベルトが手放せなくなったが、日曜日以外はすべて出勤しなければ回らなかった。

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