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【田村秀男のお金は知っている】トランプ政権の圧力で円高に転じるのか? 現行水準周辺でふらふらする公算も大きいが…

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【田村秀男のお金は知っている】
トランプ政権の圧力で円高に転じるのか? 現行水準周辺でふらふらする公算も大きいが…

日米の実質金利差と円相場の推移 日米の実質金利差と円相場の推移

 この要因の一つは、トランプ効果だ。インフラ投資、大型減税など従来の政権が背を向けてきた景気刺激策に踏み出すというトランプ政権への期待がドル買いにつながった。そのトランプ政策が実現するかどうかは議会審議待ち、ということで市場は売り買いの方向を決めかねている。

 石油などエネルギー価格動向も見逃せない。実質金利差が物価指数のコアとコアコアで大きく違ってくるのは、米国のエネルギー価格の変動幅が日本よりかなり大きいためだ。今年1月の米エネルギー物価は前年同期比で10%強上昇しているのに、日本は1%弱のマイナスである。エネルギー価格を決定づける原油価格はここに来て下がり始めた。原油生産過剰が顕在化しつつあり、下落傾向が長引く可能性もある。

 石油価格下落に米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げも重なると、米実質金利が上昇し、日本との金利差が拡大し、ドル高・円安に振れる。

 4月には先の日米首脳会談で決まった日米の経済対話が始まる予定で、日銀や財務省は神経質になっている。金融緩和と円安が同時進行すれば、かねてより「円安誘導」批判を繰り返してきたトランプ大統領をさらに刺激する。

 さて円高か、円安のどちらに向かうか。結局、それぞれの要因が打ち消し合うので、現行水準周辺でここしばらくの間、ふらふらする公算大だが、米議会、FRB、原油価格、日米対話の4大要因を注視するしかない。(産経新聞特別記者・田村秀男)

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