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【「君の名は。」考】2016年、アニメはオタクから一般に定着した特別な年だった その裏で制作現場に歪みが… 文化部 本間英士

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【「君の名は。」考】
2016年、アニメはオタクから一般に定着した特別な年だった その裏で制作現場に歪みが… 文化部 本間英士

アニメ映画「君の名は。」のワンシーン。夢の中で出会った高校生の男女がたどる数奇な運命が描かれる アニメ映画「君の名は。」のワンシーン。夢の中で出会った高校生の男女がたどる数奇な運命が描かれる

 2016(平成28)年のアニメを振り返ると、とにかくアニメ映画の強さが光った。8月に公開され、邦画歴代2位の興行収入を記録した映画「君の名は。」は言うに及ばず、「聲(こえ)の形」や「この世界の片隅に」など、名作揃いの1年に。「響け!ユーフォニアム2」などテレビの深夜アニメにも良作が並び、アニメの多様性を示した。その一方で、放送延期などアニメ制作現場の“歪み”が表面化した年でもあった。

圧倒的な爽やかさ

 

 正直に言うと、「君の名は。」は、今年一番公開を楽しみにしていた映画だった。以前、別の映画を劇場で見た際、「君の名は。」の予告に心ひかれたからだ。変に小難しそうだったり、暗そうだったり、キャスティングに無理がある映画が少なくない中、「君の名は。」はスクリーン一杯に「圧倒的な爽やかさ」が広がっていた。

 実際に、公開初日に映画館に行ったところ、席がすべて埋まっていた。翌朝に再訪したが、すでに映画館には長蛇の列が。かろうじて空いていた深夜の最終上映に滑り込むのがやっとだった。そしてこの現象は、記者個人だけに起きた出来事ではなく、全国各地で起きていたのだった…。

 「君の名は。」がなぜヒットしたかは、多くの有識者やマスコミ、アニメファンが分析を語っている。「先読みできない展開」「何度も見たくなる物語性の高さ」「エンターテインメント性の徹底」「新海誠監督が描く風景の美しさ」「今どきのキャラクターデザインと、RADWIMPSの音楽の良さ」「デートに誘いやすい」…。いずれも納得できる理由で、これら全てが相乗効果になり、今回の爆発的ヒットになったとみられる。公開初日から見られる映画館の数が多かったこと、SNSで発信する声の多さも、理由として大きいはずだ。

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