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【にっぽん再構築 子供が危ない】保育園が開園できない負の連鎖 知らない子の声はノイズか

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【にっぽん再構築 子供が危ない】
保育園が開園できない負の連鎖 知らない子の声はノイズか

 育児関連の手当や補助は30種以上。年収710万円以下で20歳未満の子供が2人いる世帯には月129ユーロ(約1万6千円)、3人だと同295ユーロ(約3万5600円)。小学生から高校生まで子供に年363~396ユーロ(約4万4千~4万8千円)を支給。子供3人以上の家族では、国鉄料金が最大75%引き、電気料金やプール、美術館入場料など割引制度もめじろ押しだ。

 政府は産後女性に「産前と同等のポストと報酬」を保証するよう企業に義務づけ、職場復帰を促す。ベローさんは部下8人を抱える労務責任者。「産後3カ月以内に職場復帰してきたが、3人目からが大変だった」。家族手当や保母費用補助に助けられたという。

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 経済協力開発機構(OECD)によると、13年の日本の子育て支援など家族向け社会保障支出は対国内総生産(GDP)比で1・3%。フィンランドは3・2%、フランスは2・9%と日本の倍以上。その数字は、国家が子供に向けるまなざしを反映している。

 日本では親から連鎖する「子供の貧困」も問題だ。日本財団の試算によると、現在15歳の子供1学年だけでも貧困対策を怠れば、社会が被る経済的損失は約2兆9千億円に上る。

 フィンランドの人口は約540万人、フランスは約6600万人。1億人を超す日本に比べ、国を支える一人一人の役割は重く、人を育てる意識も高い。国際大学グローバル・コミュニケーション・センターの砂田薫主幹研究員(社会情報学)は語る。「日本も意識の高い国の長所を学び取り、人に投資すべきだ。将来の国力の鍵を握るのは、子供たちなのだから」=「にっぽん再構築」おわり

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 伊藤弘一郎、奥村信哉、小泉一敏、三枝玄太郎、坂田満城、高橋天地、玉崎栄次、中井なつみ、西沢綾里、三井美奈、油原聡子が担当しました。

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