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【Viva!ヨーロッパ】EUの対カナダFTA調印も落着せず 混迷にみる「弱体化」、対日交渉にも影

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【Viva!ヨーロッパ】
EUの対カナダFTA調印も落着せず 混迷にみる「弱体化」、対日交渉にも影

10月30日、EUとカナダの貿易協定が調印されたブリュッセルのEU本部施設の外で反対デモを行う市民ら(AP) 10月30日、EUとカナダの貿易協定が調印されたブリュッセルのEU本部施設の外で反対デモを行う市民ら(AP)

 ただ、これでCETA発効へのハードルがすべて除去されたわけではない。調印後、欧州議会の承認を経てCETAは来年、暫定発効する見通しだが、正式発効には28加盟国の批准が必要だ。一波乱起きる可能性は完全には否めない。

 そもそも欧州委員会はCETAについてEUが排他的権限を持つ分野の協定として、28カ国の閣僚理事会と欧州議会の承認で済むとの立場だったが、加盟国の管轄も含む「混合協定」として各国の批准を求める方針に転じた。英国離脱決定でEUへの権限集中に批判が高まり、各国の関与を求める声に譲歩したためだ。

 暫定発効では関税撤廃など協定の大部分が実行に移される。貿易拡大による利益が実感され、FTAへの不安が低減されることが期待もされるが、EUのトゥスク大統領(59)は今回の経緯を踏まえこう語る。「今の世界では何でも起こりうる。それが民主主義だ」

 その予兆は現れている。オランダでは市民団体がCETA批准の是非を問う国民投票実施を目指して署名活動を展開。すでに必要数の3分の2近くを集めた。同国では今年4月、市民団体主導の国民投票でEUがウクライナと締結したFTAなどの協定への反対が多数を占め、加盟国で唯一、協定を批准できずにいる。

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