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【至誠の人 揖取素彦物語(65)】中村紀雄 県令、強引果敢に動く 

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【至誠の人 揖取素彦物語(65)】
中村紀雄 県令、強引果敢に動く 

 楫取は、聞くほどに身を乗り出し、男の口から出る一語一語を驚愕(きょうがく)して受け止めていた。

 男は安中で味噌(みそ)、しょう油の醸造業を営む湯浅治郎と名乗り、新島襄との関わりを語った。

 「わが義兄、吉田松陰は正面から黒船に挑戦したが、新島殿は北海道から異国船にうまく乗り込み、国外脱出に成功いたした。見事で大胆な戦略、私は敬服しておりました。その新島殿が上州人であることを、私は、この地の県令になって知り、今、改めて驚いております。難治の県と言われておるそうだが、その意味するところは、一筋縄でないということが分かりかけてきました」

 楫取は一気に語った。 

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