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【至誠の人 揖取素彦物語(63)】中村紀雄 博徒上がりの大商人

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【至誠の人 揖取素彦物語(63)】
中村紀雄 博徒上がりの大商人

 「はい、女房をつれて裸一貫で東京に出て、糸の商いに打ち込み、持ち前の勘と度胸で成功を重ねました。恐らく善太郎さんにとって商売のかけ引きは博打と似たところがあったと思います。また、自分を見込んでくれた大親分に成功した姿を見せたいという思いもあったことでしょう。東京は八王子に拠点を置き、巨万の金を持って前橋に帰りました。その金を前橋城再建に注ぎ込んだのです。幕府の許可が下りて築城が始まったのは、文久3年でございました」

 「なんと、文久3年」

 楫取は息を呑(の)んだ。

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