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【至誠の人 揖取素彦物語(62)】中村紀雄 兄の「最期」を説く

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【至誠の人 揖取素彦物語(62)】
中村紀雄 兄の「最期」を説く

 寿がこのように話し出すと、獄中の人々は、身を乗り出すようにして異常な関心を寄せた。

 「兄は30歳で首を斬られ世を去りましたが、最後の姿は立派でした。阿弥陀さまのもとへ行くという信念があったからです。兄は正に打ち下ろされる白刃の下でナムアミダブツを唱えたのです。皆さん、この教えは戦乱と飢えで、その日を生きられない人々を救うために親鸞聖人が始められました。人々は苦しい中でナムアミダブツを唱えます。ただそれだけで阿弥陀さまは救いの手を差しのべられるのです。この唱名は救いを求める者と救いを与える者を結ぶ絆となるのです。この獄舎にナムアミダブツの声が満ちる。それは何と素晴らしいことでしょう」

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