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【河崎真澄のチャイナウオッチ】「阿Q」の呪縛は続いている 魯迅没後80年、生誕135年にして中国社会の病巣はなお変わらず

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【河崎真澄のチャイナウオッチ】
「阿Q」の呪縛は続いている 魯迅没後80年、生誕135年にして中国社会の病巣はなお変わらず

新聞記者らを前に話す魯迅(左端)の姿を再現して上海市内の四川北路に接する多倫路に置かれいる像(河崎真澄撮影) 新聞記者らを前に話す魯迅(左端)の姿を再現して上海市内の四川北路に接する多倫路に置かれいる像(河崎真澄撮影)

 日本という外の世界から俯瞰(ふかん)して、当時の中国人と中国社会に巣くう旧態依然とした考え方の弊害が、くっきり見えたのだろう。

 住む家も金もなく、読み書きもできない貧乏人の阿Qという人物に、当時の中国人の姿を投影した代表作の「阿Q正伝」にこんな下りがある。ケンカに負けた阿Qは「倅(せがれ)にやられたようなものだ。ちかごろ世の中がへんてこで…」と周囲に言い訳するうちに気分が良くなり、逆に意気揚々と引き揚げていく。魯迅は「精神的勝利法」と書いた。

 だが、「いまも北京(中国当局)が行っていることは自己陶酔ともいえる『阿Q精神』そのものだ」と拓殖大学海外事情研究所の澁谷司教授は考えている。

 今年7月、南シナ海をめぐるハーグの仲裁裁判所の裁定で中国の主張が全面否定されたことを受け、王毅外相は「手続きは終始、法律の衣をかぶった政治的な茶番だった」と批判。元国務委員(副首相級)の戴秉国(タイ・ヘイコク)氏は、「なにも重大なことではない。ただの紙くずだ」とまで切り捨てた。

 中国外務省は、「裁定は無効で拘束力はない。国連海洋法条約の完全性と権威性を損ない、中国の締約国としての権利を著しく侵害した」と非難。「ちかごろ世の中がへんてこで…」と国際法を無視し、自らを勝利者と位置づけている。

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