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【検証・文革半世紀 第3部(5)】「法律より党指導者の考え方が重要」 “人治”の伝統、いまだ消えず

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【検証・文革半世紀 第3部(5)】
「法律より党指導者の考え方が重要」 “人治”の伝統、いまだ消えず

G20開催前には、小銃を手に警備する武装警察隊員らの姿も見られた=9月1日(共同) G20開催前には、小銃を手に警備する武装警察隊員らの姿も見られた=9月1日(共同)

 「判決に従います。法廷は理性的かつ文明的でした。裁判長と検察官、2人の弁護士に深謝します」

 7月4日、天津市第1中級人民法院(地裁)。汚職などの罪に問われた中国共産党の元中央弁公庁主任、令計画は、無期懲役の判決が言い渡された直後、こう述べて頭を下げた。

 前国家主席、胡錦濤の側近として長年、権勢を振るった令は、習近平派との権力闘争に敗れて失脚した。数々の罪に抗弁する様子もみせなかった。

 令だけではない。近年、国営中央テレビ(CCTV)が中継した多くの失脚高官の裁判では、ほぼ同様の光景が繰り広げられた。

 北京の人権派弁護士は、「彼らは冤罪や判決の妥当性など、法律のことは全く考えていない。いかに党の要求に従って演出するかが大切なのだ」と説明した。

 「私は党の人間だ。党に対抗するわけにはいかない」と公言し、裁判で弁護人を立てることを拒否した元高級幹部もいたという。

   ■    ■

 中国では「法律よりも指導者の考え方が重要だ」といわれる。失脚した元高官の量刑は法に沿ったものではなく、党指導部が決めているとの見方もある。

 法廷で無罪を主張したり情状酌量を求めたりするより、党に好印象を与えれば、将来的に減刑や復権につながる可能性がある。法律を無視した、こうした「人治」の伝統は文化大革命(文革)期に由来する。

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