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【東秩父物語(3)】ヒグラシの鳴き声のシャワー 圧倒する自然に憧れて…都会から移住して陶芸や喫茶店経営

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【東秩父物語(3)】
ヒグラシの鳴き声のシャワー 圧倒する自然に憧れて…都会から移住して陶芸や喫茶店経営

30年前の移住時を振り返る荻野二郎さん=埼玉県東秩父村白石 30年前の移住時を振り返る荻野二郎さん=埼玉県東秩父村白石

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 「私は群馬、妻は新潟生まれで、2人とも田舎育ち。浦和で所帯を持ったけれど、どこか嘘っぽく、緑に飢えているような気持ちがあった」と振り返る。

 試行錯誤した焼き物は「数年して本当に少しだけど、割って捨てるのはもったいない物ができた」。初の個展を川越市のデパートで開いたのは5、6年後。生活は教職の妻が支えた。

 水は沢から引いている。一昨年の大雪では1週間閉じ込められた。「ここまで村の奥に入る必要はなかったかな」と苦笑いもする。

 店の正面には深緑の山。同村安戸に喫茶店「チェファル」が開店したのは平成25年4月だ。店主の新井政史さん(37)は隣の小川町出身。大手菓子会社などに勤めた後、この場所で初めて独立した。

 「それまで東京・原宿や六本木など情報の発信源のような街で仕事をしていたので、自然が豊かな所の方が自分らしいと思って」

 訪ねたのは平日の午後2時頃だったが、店は子供を連れた地元の女性らでにぎわい、席の4分の3が埋まっていた。客は「村の方が半分、村外の方が半分」で「多いときは1日50人ぐらい。1人も来ない日もある」という。ショーケースには前日から仕込んだ手作りケーキ6種類が並ぶ。

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