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【至誠の人 揖取素彦物語(49)】中村紀雄 やけになった幕府 群馬

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【至誠の人 揖取素彦物語(49)】
中村紀雄 やけになった幕府 群馬

 「お久しぶりでございます」

 お綱は両手をついて言った。変身して見える姿が美しい。伊之助はお綱の笑顔に戸惑った様子で、

 「幻馬殿は健在ですか」

 「はい、龍馬さまと連携され、今こそ正念場と申され日夜奔走しております」

 「そうか。松陰がかつて幻馬殿のことをしきりに謎の男と申したが、私は今はそう思わなくなった。謎には違いないが、単なる謎でなく、その下にある確たる基盤を信じております」

 「ほ、ほ、幻馬さまに伝えますわ。お喜びになることでしょう」

 「して、用向きは」

 「はい、しかと届けよと言われ、預かってまいりました、これを」

 お綱は帯の下から取り出したものを渡した。

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