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【熊本地震3カ月】NHK武田真一アナが語る災害報道の教訓は… 「本気で命を救うんだという決意を」

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【熊本地震3カ月】
NHK武田真一アナが語る災害報道の教訓は… 「本気で命を救うんだという決意を」

 1カ月くらい後、(岩手県)大船渡市を訪れたとき、壊れた時計を見つけました。時計は、午後3時25分を指していました。地震発生が午後2時46分ですから、津波の到来まで30分余り、時間があったわけです。

 その間、命を助けられるのは何か。命を救う前提となるのは、正しい情報がきちんと伝わるということではないか、と思いました。私たちが、どんな危険が迫っているのかということを伝え、呼びかける。私たちは、災害時に行動をうながすトリガーのような役割をしなければいけないのではないか。現地を訪れ、そう思い直したのです。

 〈NHKは東日本大震災以降、視聴者に避難の必要性などを訴える「呼びかけ型アナウンス」を大幅に見直してきた〉

 呼びかけのあり方を見直す中で、一番大切にしたことは、被災した方々の心に響くかどうか、ということでした。心に響き、実際に身を守る行動を取っていただくところまで考えなければ、被害を減らす「減災報道」にはつながらないからです。

 では、どんな表現をすればいいか。地震の場合でも、自宅、ビル内、街中…。それに、時間帯や季節など、被災される状況はさまざまです。時間の経過や段階に応じて、注意点も変化します。あらゆる場面を想定し、それぞれの状況に置かれた方々に届くような呼びかけを整理してきました。

 加えて、視聴者を励まし、心に訴える表現についても検討してきました。これには一つのきっかけがあります。東日本大震災時、仙台放送局の先輩アナウンサーが、「今夜は助け合いの夜です。もうすぐ夜が明けます。力を合わせて、この夜を乗り越えましょう」といった言葉を挟みながら、ラジオで一晩中、状況を伝えたという事例がありました。これに「力になった」というリスナーからの反応があり、呼びかけの文案に盛り込むようになったのです。

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