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【熊本地震3カ月】NHK武田真一アナが語る災害報道の教訓は… 「本気で命を救うんだという決意を」

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【熊本地震3カ月】
NHK武田真一アナが語る災害報道の教訓は… 「本気で命を救うんだという決意を」

 〈武田アナは地震発生から10日ほど後、休暇で熊本に帰郷。親族の自宅の片付けなどを通じて、自身の仕事も見つめ直したという〉

 阿蘇に母が住んでおり、妻の実家が熊本市の、益城町の近くにありまして、そこの片付けに行きました。幸い、母の方は無事でしたが、妻の実家では、家の壁が壊れたり、建物にひびが入ったりしていました。

 帰郷前の話ですが、妻の実家では2回目の地震で、アルミサッシの大きな窓が外れてしまったと聞きました。その日の予報が雨で、雨が降り込んだら家の中がめちゃくちゃになってしまう。たかだか窓一枚なのに、私も家族も、絶望的な気持ちになりました。ましてや、大切な方を亡くされたり、家が全壊された方々はどんな思いを抱かれているのか。そう思うと、胸が締め付けられるようでした。

 帰郷した際、妻の実家で壊れた家具を運び出したり、床に散らばった砂壁などを片付けながら、改めて感じたことがあります。復旧・復興の第一歩とは、こうして壊れたものを一つ一つ、地道に片付けていく作業だということです。

 私たちはいつも、「命を救いたい」「復興を早めたい」という思いで放送をしています。ただ、情報や言葉だけではどうしようもない部分がある。だからこそ、現場で汗を流し、泥にまみれて復旧に当たっている方々、被災した方々の苦労を思いながら、取材、放送に当たらないといけない。それを忘れた報道や取材は厳に慎むべきだと、改めて感じました。

 〈武田アナは東日本大震災時も連日のように、被害の様子を伝えていた〉

 私の個人的な経験ですが、東日本大震災で、津波が田畑や家を襲う空撮映像を見たとき、大きな無力感に襲われました。言葉でそれを描写しても、現地の方々に何もしてあげられない。私たちは放送で、一体何ができるのか。そう落ち込みました。

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