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【福島第1原発】3カ月たっても効果見えず…凍土壁にはもう頼れない? 漏洩リスク高いタンクの使用継続も

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【福島第1原発】
3カ月たっても効果見えず…凍土壁にはもう頼れない? 漏洩リスク高いタンクの使用継続も

凍土遮水壁のイメージ 凍土遮水壁のイメージ

 東京電力福島第1原発の汚染水対策として期待されていた「凍土遮水壁」が運用開始から3カ月経過しても効果が見えない。相変わらず汚染水が増え続けていることから、東電は漏洩リスクのある「フランジ型タンク」を来年度以降も使用継続する見通しを原子力規制委員会に示した。フランジ型では汚染水が漏れるトラブルがたびたび生じており、長期使用への懸念が高まっている。(原子力取材班)

「懸念が現実に…」漏れるため息

 凍土壁は1~4号機の建屋を取り囲むように地中に凍結管を埋め込み、氷の壁を作って地下水の流れを遮断する仕組み。政府と東電が汚染水対策の「抜本策」と位置づけて国費約345億円を投じ、今年2月に建設工事が完了した。東電は当初、凍土壁が完成すれば汚染水の発生量は“劇的”に減少すると見込んでいた。

 ところが、先月27日に東電が規制委との非公開の面談で提示した資料によると、汚染水の発生量は現在、1日400トン程度で、3月末に凍土壁の運用を始める前からほとんど変わっていない。

 凍土壁の凍結範囲は現在、海側(東側)が100%、山側(西側)が95%でまだ完了していないが、東電はこのまま効果が出ず、汚染水が増え続けることも仮定して、来年4月以降もフランジ型で汚染水を保管する試算を規制委に示した。

 かねて、凍土壁の効果に疑問を呈してきた規制委側は「指摘していたことが、残念ながらその通りになりつつある」とため息を漏らす。

木枠に入れたトラ?矛盾が露呈

 古いタンクを使い続けることの「リスク」とは何か。

 フランジ型タンクは、筒状の鋼板をボルトで接合しただけの単純な構造で、接合部から汚染水が漏れ出すトラブルがたびたび発生していた。6月26日には、毒性の強いストロンチウムだけを処理した水を保管するタンクから、汚染水が約72リットル漏れているのが見つかった。汚染水はタンクの周りを囲む堰内にとどまっていたが、ベータ線を出す放射性物質は、1リットル当たり9万6千ベクレルを検出した。

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