産経ニュース

【野口裕之の軍事情勢】中国・王毅外相がカナダ女性記者に放った「傲慢」発言に世界が戦慄した 次に警戒すべきは南シナ海「観光」開発だ!

ニュース プレミアム

記事詳細

更新

【野口裕之の軍事情勢】
中国・王毅外相がカナダ女性記者に放った「傲慢」発言に世界が戦慄した 次に警戒すべきは南シナ海「観光」開発だ!

西沙(英語名パラセル)諸島の位置 西沙(英語名パラセル)諸島の位置

 2015年のクルーズは65回を数え、1万6000人が参加した。「運航会社」は今年7月に2隻目を就航させる予定で、着実に「上陸自国民」を増加させ、支配を強めている。片道十数時間かかるが、出航地を変え、航海短縮も謀る。言い換えればその分、中国籍船が係争海域に遊弋する時間や寄港地=プレゼンスを増やせる計算だ。三沙市長は「多くの観光客が、長時間の航海に耐え愛国心とともに訪れている」と感謝する。「愛国心」が必要なクルーズ観光に、違和感よりも警戒感が先に立つ。

 とはいえ、この際、観光客の真贋には意味がない。観光客が軍の特殊作戦部隊員や海上民兵に擬装していれば、兵力・兵器の移動を隠せるが、もっと恐ろしいのは「本当の観光客」だ。仮に紛争と成り、中国人民解放軍が「本当の観光客」を“保護”すれば、国際法違反を恐れて紛争相手国は手が出せない。非中国人であれば、なおのことだ。「人質」を取った中国側も国際法違反で非難されるだろうが、中国共産党が人命や法の支配を気にするのなら、南シナ海に人工島=海上軍事基地を造成し、南シナ海覇権を目指しはせぬ。

 同時に、巡視船に比べ格段に、係争相手国が手出しし難いクルーズ船にも利用価値が有る。標的の島嶼・礁・砂州を「定期巡回」し、観光客は観光後、衣食住を提供する船=移動基地に戻ればよい。武装した「観光客」がいつの間にか埋め立てを始め、住み着くかもしれない。2013年のクルーズ開始時、中国に厳重抗議したベトナムの国営メディアは「係争海域における度重なる一方的挑発行為の『最新型』」と分析している。

続きを読む

「ニュース」のランキング