産経ニュース

【熊本地震1カ月】車中泊の被災者は、余震とデマにおびえ車に逃げこんでいた 駐車場の車で何が起きていたのか?

ニュース プレミアム

記事詳細

更新

【熊本地震1カ月】
車中泊の被災者は、余震とデマにおびえ車に逃げこんでいた 駐車場の車で何が起きていたのか?

熊本県益城町では、今なお車中泊で避難生活を送る人が絶えない=15日(三尾郁恵撮影) 熊本県益城町では、今なお車中泊で避難生活を送る人が絶えない=15日(三尾郁恵撮影)

 熊本地震の被災地では発生から1カ月が経ってもなお、避難所の駐車場などで車中泊を強いられている人が多い。長期にわたる車内での避難生活はどのようなものなのか。長女(29)、長男(28)と家族3人で軽乗用車での車中泊生活を続けていた熊本県益城町の看護助手、女性(55)に、発生1カ月を機に振り返ってもらった。(三宅真太郎)

 ドドドドドド-。4月14日午後9時26分、自宅で震度7の激しい揺れに襲われた。建物がミシミシと音をたてる。ここにいると危険だ。「車へ」と、家にいた長女と軽乗用車に慌てて飛び乗った。ヘリコプターの音や救急車のサイレンが一晩中鳴り止まず、余震が続く。おびえて眠れないまま朝を迎えた。

 翌15日、避難所へ行こうか迷っていると、

自宅から最も近い益城町総合体育館の様子を見た隣人が「窓ガラスが割れて、壁も崩れていた。外も中も人であふれ、寝泊まりするスペースはなさそうだよ」と教えてくれた。

 「しばらく車中泊するしかない」と覚悟を決めた。

 16日未明、2度目の震度7に襲われた。車は上下左右に大きく揺さぶられ、車内で頭をぶつけないよう必死に座席やハンドルにしがみついた。

 揺れが収まると、町の風景は一変していた。自宅は柱が折れて窓枠がゆがみ、とても住めそうにない。長男が「どうにかなるよね」と力なくつぶやいた。だが、自宅は取り壊しが決まり、それぞれの職場には落ち着くまで休むと伝えた。

 この日、夕方から追い打ちをかけるような大雨が降り出したのを女性はよく覚えている。雨避けのために自宅の屋根に張ったビニールシートをつたって雨水がしたたり落ちてくる。自宅一帯に下水が混ざったような臭いが漂い、車の中にも充満した。

 「もう、ここには居たくない」「頭がおかしくなりそう」

 一家3人は、車中でも落ち着いて生活できる場所を探し始めた。

 19日になって近くの住民から聞いた話を頼りに町の産業展示場「グランメッセ熊本」に移動。2200台分の駐車場があり、停める場所には困らなかった。

「ニュース」のランキング