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【防衛最前線(60)】海自「TC90」練習機 哨戒機パイロット養成だけでなく南シナ海では中国への警戒・監視に利用

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【防衛最前線(60)】
海自「TC90」練習機 哨戒機パイロット養成だけでなく南シナ海では中国への警戒・監視に利用

海自では計器の情報を元に飛行する「計器飛行」を習得する訓練で活用される(海上自衛隊提供) 海自では計器の情報を元に飛行する「計器飛行」を習得する訓練で活用される(海上自衛隊提供)

 南シナ海で海洋進出を強める中国に対し、最も激しく抵抗している沿岸国のひとつがフィリピンだ。ただ、軍事力の差は歴然で、傍若無人な中国の振る舞いに有効な手を打てていないのが実情だ。

 そんな中、日本政府はフィリピンに対し、海上自衛隊の練習機「TC90」を貸与する方針を固めた。2月29日にフィリピン政府と防衛装備品の移転に関する協定に署名。4月には中谷元・防衛相がフィリピンを訪問し、TC90の貸与を正式に決定する運びだ。

 フィリピンは海自のTC90を南シナ海上空での警戒・監視活動に利用し、中国の動きをけん制する。TC90にはレーダー類が搭載されていないため、当面は目視による活動となる見通しだ。将来的にレーダーを積めば、偵察機としても使えるという。

 フィリピンは当初、海自の「P3C」哨戒機に興味を示していた。P3Cは洋上の艦船はもちろん、海中の潜水艦も発見・追尾できる優れた哨戒能力を持つが、収集した情報の解析などに高度な運用能力が必要なことから、扱いの容易なTC90に白羽の矢が立った。

 能力面でP3Cには劣るとはいえ、TC90が導入される効果は大きい。フィリピン海軍は現在、自らの航空機で南シナ海上空をパトロールしているが、行動半径が約300キロと狭い。TC90の行動範囲はフィリピン軍機の2倍に当たるとされ、広大な南シナ海の監視活動への貢献が期待される。防衛省幹部は「比海軍に導入されれば、中国への一定の圧力になることは確実だ」(防衛省幹部)と指摘する。

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