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【福島 風評との戦い(下)】「いつまで続ければいいんだ…」 福島のコメ1000万袋を毎年検査  

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【福島 風評との戦い(下)】
「いつまで続ければいいんだ…」 福島のコメ1000万袋を毎年検査  

平成24年産から毎年行われているコメの全量全袋検査。放射性物質濃度が基準値以下だと「○」が表示される=平成27年11月、福島県二本松市(野田佑介撮影)

 収穫を終えたばかりのコメの袋が、福島県二本松市内の倉庫に運び込まれていた。平成23年3月の東京電力福島第1原発事故後から始まった放射性物質の濃度検査。クレーンでつり上げられた1袋30キロのコメ袋はベルトコンベヤーに載せられ、検査機器にかけられる。その光景は空港の搭乗口で行われる手荷物検査のようだ。

 機器に取り付けられた画面には、次々と「○」が表示されていく。放射性物質濃度が検出限界値を下回ったサインで、袋には検査を通過したことを示すシールが貼られた。

 「生産者からは『いつまで検査を続ければいいんだ』といわれる。現状でその見通しを示すことはできず、まだ誰の口からもいえないと思う」

 二本松市農政課係長の湯田匡史さん(44)は苦渋の表情を浮かべる。

 福島県内では24年産から、収穫された全てのコメを調べる「全量全袋検査」を実施している。1年間でその数は1千万袋にも上り、50億円前後の費用がかかっている。国が定める放射性物質濃度の基準値は1キロ当たり100ベクレル。26年産から基準値を超したコメ(自家用を除く)はなく、既に収穫の終わった27年産でも今のところ基準値超えは出ていない。

 収穫量は全国4番目となる22年44万5700トンから、23年は35万3600トンに減った。24年36万8700トン、27年36万5400トンと伸び悩んでおり、「福島ブランド」に傷が付いたままだ。

■   ■

 コメ以外でもその影響は著しい。県農産物流通課によると、特産の桃は26年時点で、1キロ当たりの価格が全国水準(519円)の約7割(358円)に落ち込んだ。アスパラガスの価格も同様に全国水準(1187円)の約8割(965円)にとどまる。

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