産経ニュース

【話の肖像画プレミアム】岸朝子(91)=食生活ジャーナリスト=「まずい」とは決して言わず…

ニュース プレミアム

記事詳細

更新

【話の肖像画プレミアム】
岸朝子(91)=食生活ジャーナリスト=「まずい」とは決して言わず…

(大西正純撮影)

 今でこそ日本も食生活が豊かになりましたけど、かつては栄養事情や衛生状態がよくありませんでした。妹のうち2人は戦前に小児結核で亡くなっています。そのためでしょうか。父は「洗濯、掃除、裁縫は人に任せてもいい。だけど料理は命にかかわるものだから、人任せにはできない」と言っていました。

雑誌の企画でグルメブームを先取り

 〈女子栄養大学では昭和43年から雑誌「栄養と料理」の編集長を務め、発行部数を10万部から20万部へと2倍に増やした

 部数は、だあっと勢いよく増えたわね。その前までは原稿がカチカチしていたのです。雑誌の名称に「栄養」とついているのでお堅い雰囲気があり、読者層に広がりが少なかった。だから分かりやすくて、読んで楽しい雑誌にしようと心がけたのです。一般の読者の興味を引く記事があれば雑誌を買ってもらえて、栄養学や食の安全といった記事も読んでもらえますから。

 〈調理や栄養の実用的な記事だけでなく、今では当たり前になったグルメ記事も「栄養と料理」では先取りした。器の特集で陶磁器の窯元巡りをしたり、欧州の食器を紹介したりするなど、新しい企画を次々と打ち出した

 それまでは器なんて、あまり問題にされていませんでしたね。戦後間もない頃の日本人は、お金持ちではなかったから。でも、おいしく食べるには器も大事でしょう。食事に合わせてね。1品ずつ盛り付けても、大きなお皿にまとめても。料理の盛りつけを楽しむ余裕ができた時代でした。

このニュースの写真

  • 岸朝子(91)=食生活ジャーナリスト=「まずい」とは決して言わず…
  • 岸朝子(91)=食生活ジャーナリスト=「まずい」とは決して言わず…
  • 岸朝子(91)=食生活ジャーナリスト=「まずい」とは決して言わず…
  • 岸朝子(91)=食生活ジャーナリスト=「まずい」とは決して言わず…

「ニュース」のランキング