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【話の肖像画プレミアム】岸朝子(91)=食生活ジャーナリスト=「まずい」とは決して言わず…

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【話の肖像画プレミアム】
岸朝子(91)=食生活ジャーナリスト=「まずい」とは決して言わず…

(大西正純撮影)

 〈日本の“栄養学の母”とされる女医の香川綾は、計量カップと計量スプーンを考案。それまでは「ほどほどに柔らかくなったら」「おしょうゆをたらたらと」など勘と経験が頼りだった料理作りを数値化することで、初心者にも分かりやすいレシピを作った

 昔のレシピは匁(もんめ)とグラムが混在していたりして分かりにくいものでした。そこで、雑誌や本を通じて綾先生のやり方を普及させようと思いました。今では料理のレシピで当たり前に使われている「大さじ」「小さじ」の分量表記は、綾先生が考え出されたものです。誰でも料理が作れるようにと、ご自分は既に戦前から使われていました。世の中に広がりましたね。

 私は綾先生の影響を丸ごと受けています。厳しい方でしたよ。お行儀が悪いと、怒られました。98歳で亡くなりましたが、綾先生が「食は生命」と書かれた色紙を今も手元に置いています。「生命」と書いて「いのち」と読みます。これは私の父のセリフでもあるのです。

 〈父親の宮城新昌(しんしょう)氏は明治17年、沖縄県生まれ。米国でカキ養殖を学び、カナダで養殖場を創設した。帰国後、稚貝の付いた貝殻を縄に通して海中に垂下(すいか)する養殖方法を考案し、“世界のカキ王”と呼ばれた

 食へのこだわりは親から学ぶものですよ。父は食べることが好きでした。うるさい人でしたよ。特に材料にね。

 もう亡くなりましたが、沖縄の旧王族に嫁いだ姉の尚(しょう)道子は料理研究家でした。昭和58年に、姉と妹と3人で米国やカナダのゆかりの地を旅しました。父の養殖場の跡も訪ねましたよ。父は米国で仕事をしていましたでしょ。おいしいものをよく知っていて、男性が料理することに抵抗がありませんでした。

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