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【あの人の本】漫画だから描ける戦争 おざわゆきさん『あとかたの街』『凍りの掌』

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【あの人の本】
漫画だから描ける戦争 おざわゆきさん『あとかたの街』『凍りの掌』

インタビューに応じるおざわゆきさん(荻窪佳撮影)と『あとかたの街』4巻(C)おざわゆき/講談社

 終戦から70年。プロの漫画家たちが選ぶ日本漫画家協会賞大賞(コミック部門)に輝いたのは、戦争を題材にした2つの作品だった。おざわゆきさん(50)の『凍りの掌(こおりのて) シベリア抑留記』(小池書院)と『あとかたの街』(講談社「BE・LOVE」連載中)だ。27日には同社から『凍りの掌』の新装版と、『あとかたの街』の4巻が同時に発売される。両親の実体験をもとに、現代に通じるリアルな感覚で戦争を描くおざわさんに聞いた。(戸谷真美)

 「(戦争は)自分とそんなに離れた話ではないと思うんです。過去のことではあるけれど、どこか今の世の中とか、自分の人生につながっていると思います」

 太平洋戦争末期の名古屋を舞台にした『あとかたの街』は、名古屋大空襲を生き抜いたおざわさんの母(83)の体験をもとにした物語だ。主人公・木村あいは、食いしん坊で明るい12歳の少女。両親と姉、妹2人の4人姉妹で、裕福ではないが温かな家庭で暮らすあいの日常に、徐々に戦争が入り込んでゆく-。

 東京や大阪の大空襲、広島、長崎の原爆、地上戦が行われた沖縄などに比べ、太平洋戦争中の名古屋が語られることは少ない、だが、軍用機のエンジンや部品製造では日本最大級の三菱重工業名古屋発動機製作所をはじめ、多くの軍需工場を抱えていた名古屋は63回に上る空襲を受け、7800人を超える死者を出した。また、当時はほとんど伝えられなかったが、昭和19~20年にかけてそれぞれマグニチュード(M)7・9、6・8という昭和東南海地震、三河地震が連続して発生、合わせて3000人を超える人々が犠牲になった。

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