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【日本の議論】風俗業者阻止の犠牲? 「混浴禁止条例」に阻まれた障害者のヨクジョウ問題

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【日本の議論】
風俗業者阻止の犠牲? 「混浴禁止条例」に阻まれた障害者のヨクジョウ問題

障害者が使いやすいよう配慮した家族風呂の説明をする御谷湯のオーナーの伊藤林さん=東京都墨田区

 東京都墨田区石原の公衆浴場「御谷湯(みこくゆ)」が、大浴場のほかに8日から新たに身体障害者を対象にした家族風呂の運営を始めたところ、思わぬ問題が浮上した。公衆浴場に関する区条例で、夫婦、親子でもどちらかが10歳以上の場合は男女の混浴ができない。介助者が異性の場合は着衣が求められ、障害者にとって、家族水入らずの入浴が楽しめないという。(昌林龍一、写真も)

 「御谷湯」は、福祉活動に力を入れる伊藤林(しげる)さん(68)がオーナー。ビルの4、5階に男女別の大浴場があり、今春の改装で1階に身体障害者とその家族を対象にした家族風呂を設置した。

 入浴しやすいように浴槽の縁が低く、中にはスライド式の足腰掛け板がある。介助する人も汗をかくだろうと考えて、浴槽は2つ配置した。

 区生活衛生課によると、家族風呂はスポーツジムのジャグジーなどと同じ扱いになる区公衆浴場条例の「その他公衆浴場」で許可。同条例では、「10歳以上の男女を混浴させないこと」と定め、夫婦、親子でも10歳以上の男女は混浴はできないことになっている。このため、介助者が障害者と異性の場合は、着衣のまま介助作業をしなければならないという。

 伊藤さんは、福祉目的の場合は混浴を許可してもらうよう条例改正の要望を打診したが、同課は「福祉目的と偽って許可を取り、風俗などに使う悪質な業者も出てくる可能性がある」との見解で、実現は困難。

 福祉施設に準ずるものとして公衆浴場条例の適用外にする方法もあるが、区障害福祉課は、「デイ・ケアセンター扱いにするのであれば必要条件が厳しくなり現在の設備では難しい。たとえ認められても、混浴できるとするならばデイ・ケアセンターに通所する人に限られる」といい、さらにハードルは高くなる。

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