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【番頭の時代】第3部「スポーツを支える黒子」(4) ハンディ逆手、本業以外で稼ぐ鹿島アントラーズ取締役事業部長 鈴木秀樹氏

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【番頭の時代】
第3部「スポーツを支える黒子」(4) ハンディ逆手、本業以外で稼ぐ鹿島アントラーズ取締役事業部長 鈴木秀樹氏

鹿島アントラーズの鈴木秀樹氏

 茨城県庁の静かな会議室に、張りのある声が響いた。平成17(2005)年9月9日のことだ。

 「ジムを開いて地域の健康増進に貢献します」「どんどんピッチを開放して使っていきます」「私たちはファン、サポーターの気持ちを最も分かっています」

 声の主はサッカーJリーグ1部(J1)の鹿島アントラーズで現在、取締役事業部長を務める鈴木秀樹(54)だった。

 会議室では、県知事に推薦する、県立カシマサッカースタジアム「指定管理者」の選定委員会が開かれていた。5年のJリーグ発足時から鹿島の本拠地。鈴木は、地域と結んできた十数年来の強い絆、未来への夢を熱く語った。

 公共施設の管理を民間会社や法人に委託できる同制度。指定されると、管理者自身が施設の使用許可や料金設定の権限を得たり、利用料を収入にしたりできる。鈴木は振り返る。

 「スタジアムを自分たちの裁量で使って、お金を稼ぐことができるのは非常に魅力的だった」

 選定委には、鹿島を含めて3社が競合していたが、投票の結果は全会一致で鹿島。当時、日本サッカー協会事務局長で、選定委員長を務めた豊島吉博(64)=現J2愛媛社長=は、鹿島の提案に心を動かされた。「スタジアムを地域のシンボルにしていく熱意はJリーグの理念を体現していた」「鈴木くんの説明には、スタジアムを使ってきたチームのプライドみたいなものがあった」とは豊島の回想である。

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