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【番頭の時代】第3部「スポーツを支える黒子」(3) スカウト界の一匹狼、「二刀流」大谷獲得の舞台裏 日本ハム・スカウト顧問 山田正雄

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【番頭の時代】
第3部「スポーツを支える黒子」(3) スカウト界の一匹狼、「二刀流」大谷獲得の舞台裏 日本ハム・スカウト顧問 山田正雄

山田正雄スカウト顧問=東京ドーム(納冨康撮影)

 プロ野球日本ハムのゼネラルマネジャー(GM)、山田正雄(70)=現スカウト顧問=は決断を迫られていた。平成24年10月。千葉県鎌ヶ谷市の2軍施設で開いた編成会議は、数日後に迫ったドラフト会議で注目の高校生を指名するかどうかに時間が割かれた。

 岩手・花巻東高3年の大谷翔平。球速150キロ超の直球と非凡な打撃センスを併せ持つ逸材だ。

 大谷がドラフト直前に明かした希望は「入学のころからの夢」という米大リーグだった。その余波は大きく、大谷狙いの複数の球団が相次いで手を引いた。その中でドラフトの陣頭指揮を執ったのが、日本ハムの編成トップを担う山田だった。表には出ないが、チームの強化方針を定め、それに即した選手獲得などを取り仕切る、いわば総監督といってよい。

 「一番力のある選手を1位指名する方針を貫く」

 山田は折れなかった。会議で「1位は大谷」という球団の態度を固め、外で待ち構えた報道陣の前でも大谷の指名を明言した。

 日本ハムは前年、東海大のエース菅野智之(現巨人)を強行指名した。巨人監督、原辰徳の甥だ。相思相愛とされた巨人との競合の末に、くじ引きで独占交渉権を得たが、菅野からは頑なに入団を拒否された。その傷が癒えないまま、山田らは再び大きな賭けに挑もうとしている。

 2年続けて「1位指名」に拒否されれば、責任は免れない。それでも、山田は淡々としていた。「方針は変えない。失敗して、誰かが責任を取らなければならないなら、私が取るしかない。流れに身を任せるしかない、と」

 球団は16年のシーズンに東京から札幌へ本拠地を移転。地域密着路線でファンを増やし、ダルビッシュ有(現レンジャーズ)や24年のリーグ優勝時に貢献した中田翔、陽岱鋼ら有望選手を、競合を恐れることなく指名し、チームの主軸に育ててきた。

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