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【番頭の時代】第3部スポーツを支える黒子(2) 「社会に出ても順応できる子に育てたい」大相撲湊部屋の女将・三浦真

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【番頭の時代】
第3部スポーツを支える黒子(2) 「社会に出ても順応できる子に育てたい」大相撲湊部屋の女将・三浦真

大相撲、湊部屋を切り盛りする三浦真さん=埼玉県川口市(小野淳一撮影)

 大相撲の湊部屋(埼玉県川口市)で女(お)将(かみ)を務める三浦真(まこと)(44)は、日に何度も自宅の階段を上り下りする。湊親方(46)=元幕内湊富士=の部屋がある3階と、モンゴル出身の人気力士、逸ノ城(22)の個室がある2階との往復だ。

 「何時に出掛けるの?」「ケガの具合は?」

 逸ノ城の予定や体調を、三浦は手際よく聞き出していく。ささいな相談事から相撲にかかわる大事なことまで、細大漏らさず親方に伝える。親方の伝言があれば、今度は階下の弟子へと急ぐ。

 厳しい上下関係がある角界で、伝令役として師弟をつなぐのが女将である。昔ながらの厳格なおやじと育ち盛りの多感な息子の間に立ち、緩衝材となる母親に近い。部屋の会計を預かり、食材を買い出し、毎場所後の打ち上げパーティーでは、後援者の接待も務める。ただでさえ忙しい三浦には、別の顔もある。

 中学2年の長女、小学3年の長男を育てる母。そして、埼玉県川口市内の老人ホームを併設したクリニックの院長だ。平日の火曜日から金曜日までは、医師として朝から夕方まで働く。東京開催の場所中は勤務を早めに切り上げ、車で逸ノ城を送り迎えする。

 部屋付きの床山である床盛(40)は驚きを隠さない。「女将さんはほとんど寝ていないと思う。自分なら3日でダウンするような忙しい生活を送っている」

 仕事を続けながら部屋を切り盛りする理由がある。

 「相撲の世界はとても特殊。彼ら(力士)は入門すると、角界が全てになってしまう。でも、私はただ1人違う世界に生きている。彼らが一般社会に出たときに、順応できる子に育てないといけない」

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