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【日本の議論】「性的少数者」就活の実態…偏見、葛藤、一方で少しずつ広がり始める企業の“理解”  

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【日本の議論】
「性的少数者」就活の実態…偏見、葛藤、一方で少しずつ広がり始める企業の“理解”  

(写真はコラージュ)

 大学生の就職活動が本格的にスタートした。同性愛や性同一性障害などの性的少数者(LGBT)の学生は、「ありのままの自分で働きたい」という思いがある一方、希望する企業がLGBTに理解があるかどうか分かりづらく、悩みが多い。だが、金融関連企業11社によるLGBT学生向けセミナーが3月に開かれるなど、企業や社会の理解は少しずつ広まりつつある。(油原聡子)

カミングアウトの“葛藤”

 「就職活動でカミングアウトするべきなのか悩んでいます」。神奈川県の大学生、トムさん(21)=仮名=は、トランスジェンダー。女性の体で生まれたが心の性別は男性だ。

 トランスジェンダーの就活生が悩むのがカミングアウトするか、否か。トムさんは、性別適合手術も受けておらず、戸籍も変えていない。就職サイトでは、女性名で登録し、性別も女性と記入した。だが、応募書類用の写真は、メンズスーツを着たものを使っている。

 これまでは、カミングアウトせずに活動してきた。だが、企業の面接では、学生や企業の担当者がトムさんの存在に戸惑うことがあった。トムさんは、男性用スーツに女性名の名札。最初は男性と思って接してくるが、途中で名札に気づき「あれ?」となることが多い。「カミングアウトしていないことが、自分にも相手にも、ストレスになっている」と悩む。

 カミングアウトはLGBTの就活生にとって、大きな悩みだ。ゲイやレズビアンの場合、カミングアウトせずに、就職活動をすること自体は可能だ。だが、カミングアウトしないで就職活動をしていたというゲイの男性会社員は「面接で質問に答えるとき、ゲイだという自分のアイデンティティーを隠したままだと、うまく答えられなかったことがある」と振り返る。

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